若手技術者応援コラム 技術力向上への道 Vol.2


ライター:床並 英亮

現場監督が行う「施工管理」とは?

夏の甲子園(高校野球)が開催される時期ですね。

昔は「桑田、清原(K.Kコンビ)」「松井」「松坂」と超高校級の野球選手に注目が集まりましたが、最近では選手の起用方法を巡って「監督」も注目される時代になった気がします。

 皆さんが通常、思い起こす「監督」は野球などスポーツにおける役職だと思います。しかし、監督は皆さんの身近にある職場にも居ますよね。

あっ!

もしかしてあなた自身が工事現場で監督業務に従事している人でしょうか?
この現場監督といわれる人たちは普段、どんな仕事をしているのでしょうか?

それを、
大まかにいうと「施工管理」といわれる業務に従事しているといえます。

施工管理とは、工事を円滑に進めるため、
「安全」「品質」「工程」「原価」「環境保全」 などに配慮しながら
工事を進める業務全般をいいます。

でも、なぜ、施工管理という業務が必要なのでしょうか?

その答えは、「安全」にかつ「高品質」「経済的」「所定工期内」
構造物等をつくる必要があるからです。

この考えは建設現場に限らず、他産業でも同様です。

例えば、牛丼チェーン店でよく耳にする「うまい」「やすい」「はやい」と
同じ考えに基づいています。

しかしながら、牛丼チェーン店とは、少々勝手が違うところもあります。

その要因として、建設現場は

1.「一品受注生産性」である
2.「重層下請け構造」である

という2点です。

1.一品受注生産性 とは?

 字のごとく、現場ごとに受注しながらオンリーワンの建物を建てる点が、チェーン店舗型の外食産業とは大きく異なります。

 よって、施工管理といえども、現場ごとに管理する対象が異なるため、
その都度、臨機応変に施工管理する必要があります。

 料理番組で、事前にお題や食材が知らされないまま即興で調理する番組のイメージに施工管理は近いかもしれませんね。

2.重層下請け構造 とは?

重層下請け構造とは、
一つの現場に、色々な協力(下請け)業者が混在して作業を行う構造
をいいます。

これは、建設業と造船業のみの特殊な構図です。

 施工管理を行う現場監督は、 これら多種多様な業者間の作業調整も日々行いながら、効率的に現場を運営しなくてはいけません。
 よく、街でも見かける朝礼風景などをみると、協力業者や作業員さんの多さに驚かれる方もいると思います。 

施工管理の醍醐味

これら

1.一品受注生産性
2.重層下請け構造

という、特殊な職場環境のなかで、現場監督同士が
協力しながら工事を無事に終わらせるという「ミッション」を行うのが、
施工管理の醍醐味ともいえます。

 こうしたミッションを通して、尊敬できる!?上司の背中(采配や判断力、根拠となる技術的な所見etc)を見ながら自分の技術力向上に繋げてほしいと思います。

では、施工管理にはどのような種類があるの?

 施工管理と一言でいっても、以下に示す管理部門に分類されることについても触れておきましょう。

 これら5つの管理項目は、工事目的物を無事に完成させ、顧客に引渡し安心して使ってもらうために、とても重要な項目になります。

 もちろん、施工管理を行う側にとっても、ムダ・ムラ・ムリを少なくする調整(施工管理)を行い、利益を生み出す上でも、これら管理項目は重要な枠割を果たします。

 特に、「品質」「工程」「原価」は主要管理項目といわれ、下図のような関係性があることも知っておいてください。

 ちなみに、この関係性は土木施工管理技士の試験でもよく出題されていますので、将来受験することを考えている方は、この機会に是非、関係性(図の見方)について理解しておきましょう。

 実は、私が若手技術者だった頃、この図は見たことがありますが、その内容までは理解していなかった記憶があります。参考書などで解説をよく読んでも、理解できませんでした。

その理由として、
~これら3つのグラフを一体で理解しようとしたから~ に尽きます。

つまり、
~これら3つのグラフは一つずつ関係性を確認する~ ことで、
あまり難しい内容ではないことに今更ながら気づかされます。

X-Zのグラフでは、
工程を早めれば、施工は雑になりがちなため品質は低下する関係が表現されています。

Z-Yのグラフでは、
高品質なものをつくれば、原価は上昇する関係になります。

容易に想像がつきますよね!?

でも、

X-Yのみは、他と異なる関係性があります。

それは、

工期が早まれば、原価は抑制されますが、あるタイミングを境に、かえって原価が上昇する(頂点が存在する)ことを表現しています。

 この「限度を超えた工期短縮策はコストがかかる」の代表例が「突貫工事」になります。進捗に遅れを抱えた工事が工期末までに挽回できなければ、突貫工事を選択せざるを得なくなります。

 このような人員や機材の増強を過度に図る突貫工事は、原価面だけでなく、やる気や集中力の低下を誘発し安全面でもいいことはありませんので、絶対に避けるように日々の工程管理をしっかり行うことが重要になってきます。

 皆さんの現場は大丈夫でしょうか?

次回は、施工管理の「工程管理」について、もう少し詳しく解説したいと思います。


床並 英亮氏プロフィール

大学卒業後、大手マリコンで11年間、土木技術者として現場施工管理及び積算業務に従事する。
その後、地元の政令指定都市に転勤後約5年間、工事の設計の発注業務に従事し39歳で独立起業する。
独立後は、人材教育事業を主力に建設業の担い手確保活動に献身している。1級土木施工管理技士と技術士(建設部門)の社員教育も手掛けている。


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