若手技術者応援コラム 技術力向上への道 Vol.9<前編>


ライター:床並 英亮氏

土木施工管理技士の試験制度改正点(前編)
~ まずは配置技術者制度の改正点から理解しよう ~

2021年度から施工管理技士の試験制度が改正されることはご存じでしょうか?また、試験制度のみならず配置技術者制度なども大幅に改正されます。

ですので、今回のコラムから2回に分けて、土木施工管理技士における試験制度の改正点について解説したいと思います。

配置技術者制度の改正から掘下げる

試験制度の改正点を理解するために、最初に知っておくべき内容があります。
それは、『配置技術者制度の改正点』です。

以下に3つの改正ポイントを列記いたします。
① 監理技術者を補佐する制度(監理技術者補佐)が新設
② 監理技術者が複数現場を兼任できる制度が新設
になります。以下に国交省が公開している資料の抜粋図を添付します。

引用:国土交通省ホームページ公開資料

また、主任技術者についても
③ 専門工事では一括管理施工制度(主任技術者の重複配置が不要)が新設
されることで、限りある人材を有効活用する効果が期待できる改正になります。

引用:国土交通省ホームページ公開資料

監理技術者補佐はどうすればなれるの?

監理技術者補佐になる要件ですが、「主任技術者の要件を満たす者のうち1級技士補を有する者」が想定されています。この1級技士補ですが、これまでの1級土木学科試験に相当する1次検定に合格した者に付与される新しい資格に位置づけられます。

引用:国土交通省ホームページ公開資料

よって、1級土木の学科試験には合格できるが実地試験には中々合格できない人にとっての救済措置的な制度とも言えます。

1級技士補になれば1級学科の再受験は実質不要

従来の試験制度では、1級土木の実地試験に2回連続不合格になれば、学科試験から再受験する必要がありました。しかし、1級技士補制度では5年に一度の講習会受講で更新できる制度となります。よって、一度1級学科に合格すれば、学科試験の再受験は不要となります。

※資料内数字は概算

上図は従来方式と新制度による受験者動向を示したイメージ図です。
新制度では、学科試験が「1次検定」、実地試験が「2次検定」と名称も変更されます。

新試験制度に移行されれば、1級学科試験(1次検定)の受験者のうち、実地不合格となった再受験者組はいなくなるので1次検定の受験者数は減少すると推察されます。一方、1級実地試験(2次検定)の受験者は1級技士補を取得した再受験者数が増加するため2次検定の受験者数は大幅に増加するものと推察できるでしょう。

また、国土交通省では、1級技士補を活用することで、いろいろな特典(インセンティブ)も付与することを検討しています。

次回(後編)では、新試験制度の内容をいち早く知って、改正点をうまく活用するポイントを説明したいと思います


床並 英亮氏プロフィール

大学卒業後、大手マリコンで11年間、土木技術者として現場施工管理及び積算業務に従事する。
その後、地元の政令指定都市に転勤後約5年間、工事の設計の発注業務に従事し39歳で独立起業する。
独立後は、人材教育事業を主力に建設業の担い手確保活動に献身している。1級土木施工管理技士と技術士(建設部門)の社員教育も手掛けている。

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